強欲な女
「俺はあの時も夜景より真美に見とれていた。」



「恭平………。」



「愛してる、結婚しよう。」



そう言って恭平は私の左手の薬指にダイヤの付いた指輪をはめた。



嬉しくて涙が溢れ出てきた。



涙のせいでうまく話すことが出来ない。



「真美返事は?嫌か?」



私は大きく首を横に振った。



「い………嫌なわけない………。」



涙でぐしゃぐしゃな私の顔に恭平の顔が近づいてきた。



私の唇と恭平の唇が重なった。



「幸せになろう。三人で。」



私は涙を拭いながら大きく頷いた。



私は今日が今までで一番幸せな気がした。







私達は来年の私の二十歳の誕生日八月十日に籍を入れる約束をした。











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