強欲な女
着いた先は山の中にある隠れ家的なお洒落なレストラン。



一番奥にある席に腰をかけた。



「たまにはこいう所もいいだろう。綺麗な空気を吸うとお腹の子も喜ぶぞ。」



「うん。ありがとう恭平。」



私は素直にその言葉が嬉しかった。



この人は私とお腹の子のことをちゃんと考えてくれている……。



新鮮な野菜を使ったコース料理はどれもすごく美味しくて、つわりで最近食べれていなかったのにほとんど全部食べきってしまった。



「せっかく山まできたから夜景でも見ていくか。」



「うん。」



私が酔わないように車をゆっくり走らせてくれる恭平。



(前のときは車酔いして散々な目にあったな………。)



まだ一年ちょっとしか経ってないのにもう何年も前のことのように思えた。



着いた場所は初めて恭平と夜景を見に行った場所と同じだった。



「変わってないね………。綺麗………。」



「そうだな………。」



「今日は晴天だったから星もよく見えるね。」



そう言って空から恭平の方に視線を移すと突然抱きしめられた。








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