クリスタルライン







「おいっ杏里!」



パシッッ


えっ?!


その時、誰かに強く腕をつかまれた。


振り向いて、目を見張った。


だって、そこにいたのは……


リョウだったから。



「え……、どう……して?」


「バカ。お前、何やってんだよ!?とりあえず、行くぞ」



私の腕をグイグイと引っ張って浜辺へと連れて行く。


私は何が起こっているのか分からなくなる。


だ、だって……どうしてリョウがいるの?


一瞬、既に私は死んでしまったのかと思った。


リョウ、背丈は高くなった気がする。


いつも丸く大きかった目が、怒っているのか少しつりあがっていた。


髪型はあの頃の……中3の時のまま。


ショートの黒髪を、ワックスで立たせている。


リョウはこの髪型がすごく似合うなと、いつも思っていたんだ。








波の中から私をつれ出したリョウは、私を強く抱きしめた。



「リョウ、どうしてここにいるの?」



私は、彼の腕の中で聞いた。





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