オリオンの砂時計
★ ★ ★
以前も雨が降った日だった。あの時はどしゃ降りで、彼と私は黙って手をつないで歩いた。
私はとても気分が沈んでいた。彼はもとから口数の多い方じゃないのだけれど、その日は更に寡黙だった。
歩きながら、タクシーがなかなかつかまらない状況が続いていた。私はどんどん気分が沈んで沈んで、もうおわりかなぁ、私たち、とマジで思った。
タクシーがようやくつかまって喫茶店で落ち着いてコーヒーを飲みながら話をしていると、全然、彼の中にはそんな考え、これっぽっちもなかったんだ、ってわかって、ほっとしたことがあった。

昨日は、親とメールのやりとりが続き、あまりしつこく「帰ってこい」っていうのでウンザリした。

親の言う「お前のやりたいようにすれば良い」と、兄の言う「お前のしたいよーにすりゃいーじゃん」は言葉のイミがちがう。
親の言葉に重苦しさを感じる。もっとカルく言ってほしいと思う。実際は重いのだとしても。そんなこと、だって、とっくにわかってるからさ。
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