明日も、キミに恋をする。
陽子ちゃんの言葉に、愛ちゃんも話し出す。



「そ。あたしと涼は幼なじみやねん。昔はよく一緒に遊んだし、涼ってあんまり女子と話さないねんけど、あたしにだけは結構優しいねん」



愛ちゃんは、テーブルの上を見つめながら続ける。



「だから……あたしはずっと、涼はあたしを好きなんやろうなって……うちら両思いなんやって信じてて……まぁ、勝手に思いこんでただけやってんけど…」




そこで、愛ちゃんの言葉がつまる。

陽子ちゃんが愛ちゃんの頭をポンポンと撫でて、続ける。



「中学ん時に愛に告った男子がいてな?愛はミヤモに相談してん」



愛ちゃんは俯いていた顔を上げる。




「あたしは涼が"やめとけ"って言うてくれるん、期待しててん!俺も好きって言うてくれるって思っててん……」



愛ちゃんは大きな瞳に涙をためて、また俯く。




「……ほんま、あん時の自分が恥ずかしい。ズルいこと考えた罰やなぁ?涼な……あたしに、

“ええんちゃう?あいつ良いヤツやで”って笑って言うてん」




愛ちゃんの瞳に溜まっていた涙が、ポタッとこぼれ落ちる。



「両思いやってずっと信じとったし、めっちゃショックやった。なんか惨めやな…っていうか、ほんま恥ずかしかったな。勘違い女の自分が、バカ過ぎて」




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