嘘から始まる恋



「失礼しましたー」


先生に頼まれたプリントを回収し、職員室まで提出しに行き職員室を後にした。


教室までの廊下を歩いていると声をかけられた。



「工藤さん、おはよ」


「あ、おはよ…」


ニコッて変わらずに笑顔を向けてくれる山中くん。



「目、腫れなくて良かったね」


自分の目を指すようにして優しく笑う。



「うん…。山中くんって優しいよね」


「…えっ!?そ、そうかな?」


照れるよ…なんて言って恥ずかしそうに笑う。


昨日のことがなかったように接してくれる。



「心配してくれてありがとうね」


そう言うと「想い通じたらいいね」って微笑んでくれた。



それから二時間後の昼休みの時間、私は成瀬くんと一緒にいた。



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