嘘から始まる恋
「あっ!私、何もお礼するもんないよ?」
嬉しくて忘れるとこだった。
「いーよ、理子には沢山してもらったし。なんなら最後にもう一回しとく?」
ニヤッと意地悪な笑みを浮かべ、顔を近付けてくる。
「いややや、結構です!」
慌てて迫ってくる成瀬くんの顔を両手で抑える。
「…ケチ」
ムスッとした表情をし私から離れた。
「だ、だって…、今日…その、何回もしたし…」
カァーー…と顔が赤くなるのが自分でも分かる。
そう、今日のデートで何度「成瀬くん」と呼び、キスさせられただろう。
てかもう途中から成瀬くんからキスしてきてたけどさ。
「理子が悪いんだろ」
うっ…、そうだけど。
でも変な罰ゲームなんか考える成瀬くんが悪いんじゃん。