嘘から始まる恋
「…もう家入るよ。バイバイ!」
反抗しても勝てないから逃げよう…と思って手を振り家の中に入ろうとすると、グイッと手首を引っ張られ、チュッと軽く唇があたった。
「じゃあな」
呆然とする私と違って、満足げにニッて笑って帰って行った。
油断出来ないよ…。
こんな家の前で誰かに見られたらどうすんのさ!!
って見られてないよね!?とキョロキョロと辺りを見回す。
よし!誰もいない!
安心して玄関を開け家に入った。
「ただいま〜」
「おかえりー。機嫌良いわねぇ」
リビングで寛いでいたお母さんにヘヘッて笑って、部屋へと向かった。
バフッとベッドにダイビングし、さっき貰ったストラップを眺める。
ふふっ、今日はいい日だったな。