嘘から始まる恋
「ケチ!!」
「お前だってケチだろ。キスぐらいしてよ」
「むーり〜!成瀬くんの意地悪!」
なんですぐキスとか言うかなぁ…。
フンッとそっぽを向くと成瀬くんに腕を引っ張られ、抱きしめられた。
「…なに?」
心臓バクバクだけど、頑張って平然を装う。
「理子…」
耳元で名前を囁かれドキドキする。
それと同時に「ふ〜」と耳に息を吹き掛けられた。
「ぃやっ!」
ビクッとし思わず変な声を出してしまった。
「なに、可愛い声出してんの?」
クスクス笑いながら言われ、顔が真っ赤になってしまう。