嘘から始まる恋
「…映画、全然観れなかったね」
「いいじゃん。どうせ面白くなかったよ」
シレッと言う成瀬くん。
いやいや、誰のせいで観れなかったと思ってるんだ。
映画館を出てブラブラと歩き、雑貨屋さんや喫茶店に入り時間を潰して一日は終わった。
「遅れなくて悪ぃ…」
「ううん。家近いから大丈夫だよ」
じゃあねって待ち合わせした駅前で成瀬くんと別れた。
成瀬くんは朝会った友達に用事があるみたいで、駅前でバイバイした。
成瀬くん面倒臭そうな表情してたのに、会うってことはやっぱり仲良しなんだね。
それから数日後、私達二人の関係は変わりはじめた。