嘘から始まる恋




『瞬?やっと出やがったな。お前上手くいってるみたいじゃん』


「もしもし」と言う前に声の主は話し出してしまった。


いないって伝えようと思ったのに…。



『前言ってたコ、彼女になったんだろ?足のこととかバレてないの?』


彼女って、私のこと?


声の主は一人嬉しそうに喋り続ける。



『まぁー賭けは俺の負けって認めるよ』


賭けって?



『おい、聞いてる?瞬』


「あ、あの…」


『えっ?女の声?すんません、間違えました!』


私の声を聞いて、間違えてかけたと思ったのか、慌てて電話を切られてしまった。


聞きたいことあったのに…。


電話を眺めていると手の中でまたバイブが震え始めた。


さっきと同じ人からの着信。


またかけ直してきたんだ。



< 186 / 275 >

この作品をシェア

pagetop