嘘から始まる恋
「理子…」
「いや!」
やだ、やだ、聞きたくない!!
成瀬くんの口から「遊びだった」「ただのゲームだよ」なんて聞きたくない!
両耳を手で塞ぎ俯く。
「理子!聞けって!」
怒鳴りながら、耳にあてる手をどかせようとする。
「ぃや!」
成瀬くんを思いっ切り突き飛ばした。
つもりだっただけで、成瀬くんは全然微動だにしていなかった。
一瞬あった視線が怖かった。
「な、んっ…!」
名前を呼ぼうとした瞬間、唇を塞がれた。
押そうとしても手首を壁に押さえ付けられて反抗出来ない。