嘘から始まる恋
「……ど、どうして嘘ついたの?」
「…嘘?」
眉間に皺を寄せ私を見下ろす。
「骨折…してなかったって…ただの軽い捻挫だったって…」
違うよね?
本当に骨折してたんだよね?
成瀬くんをジッと見つめるが、視線を逸らされてしまった。
………本当、なんだ。
「…じゃあ」
「えっ?」
「じゃあ私で賭けてたのも本当?」
そう言うとピクッと成瀬くんの表情が動いた。
やっぱり賭けてたんだ。
勝ちと負けとか…私はただのゲーム。
だったら私たちが付き合ってるのもただの遊び?
どうしよ、泣きそう…。