嘘から始まる恋

王子の焦燥感




「くそっ!」


どうすればいいんだよ!


理子が去り、思いっ切り壁を叩く。


ジンジンと痛みがするが、そんなこと関係ない。


一体どうしたら話聞いてもらえんだよ。



「成瀬」


突然、背後からかけられた声にビクッとした。



「…なに?」


声の主を見た途端、俺は更に不機嫌になった。



「工藤さんに何言ったの?」


「お前に関係ねぇだろ。首つっこむな」


ギロッと山中を睨む。



何だよこいつ。


マジ、うぜぇ。



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