嘘から始まる恋
「あいつ不器用なんだよ。理子ちゃんで賭けてたのは、俺たちが勝手にしたことで、瞬は遊んでたんじゃないよ。真剣に理子ちゃんと付き合いたいって必死だった」
成瀬くんが必死…?
私と付き合うために。
「捻挫を骨折って騙したのは悪いことだと思うけど、理子ちゃんと関わりが欲しかっただけなんだよ。だから許してやってくれないかな?」
そう話す雄介くんの言葉は本当なんだろうな…と表情を見ると分かる。
私、悠希くんや雄介くんの言葉は信じられるのに、成瀬くんの言葉は聞こうともしなかった。
成瀬くんが好きなら成瀬くんの言葉を信じなきゃダメだよね?
「…私ね、明日、成瀬くんとちゃんと話してみようと思ってて…。だから成瀬くんのこと話してくれてありがとう」
ペコッと二人に頭を下げる。
「お礼なんていいよ!俺らも悪いんだから。あっ、それより俺らと会ったってことは内緒ね?あいつ妬くから」
そう言って雄介くんは笑った。
そんな雄介くんに何かひっかかる。