嘘から始まる恋



「家、着いた」


うぇ!?


いつの間に着いたんだ。


成瀬くんは鞄を私から取り上げ、バカにするように言った。



「アホ面」


「失礼な!!」


キッと成瀬くんを睨むも、スルーされてしまう。



「明日は遅刻すんなよ」


「分かってるよー…」


ふーんだ…と怒る真似をすると成瀬くんは笑った。



「ガキか」


「違うもん!じゃあね!」


スタスタと成瀬くん家を後にした。



成瀬くんは私とキスしても何とも思わないんだ。


何事もなかったみたいに、いつも余裕でさ。



…って!!


私は何を考えてるんだ!



それじゃまるで成瀬くんに意識してもらいたいみたいじゃん!



どうしよ…。


私、最近おかしい。



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