嘘から始まる恋



「なにボケッとしてんだ?」


目の前を手の平でひらひら〜とされ、我に返る。



「な、なんでもないよ!」


パックの牛乳を飲む成瀬くんは不思議そうに私を見ていた。


ど、どうしよ…!


ドキドキしてきた。



「顔、赤いぞ」


そう言って私の額に手をあててきた。



だ、だめ!



「大丈夫だから!」


成瀬くんの手を払いのけ、思いっきり後ずさりしていた。



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