嘘から始まる恋



「さっきの人ってどこで知り合ったの?」


喫茶店を出て隣を歩く成瀬くんに質問する。



「あー…、電車?絡まれてるとこ助けたら、惚れられちゃったわけよ」


面倒臭そうに遠くを見つめながら、溜め息を吐く。


助けてあげたんだ…。


意外といい人?



「成瀬くん、彼女の前でも王子様なんだね」


「高校の奴も一緒だったから、地見せられなくて」



「…どうして、王子様を演じてるの?」


首を傾げる私に成瀬くんは苦笑しながら、「ゲーム?」と言った。



何か隠してる?



< 76 / 275 >

この作品をシェア

pagetop