嘘から始まる恋
「私ん家、もうそこだからここでいいよ」
「そう?あ、ねぇ」
「ん?」
「今日は一緒に帰ってくれて嬉しかった」
少し頬を染めて嬉しそうに笑う山中くんに私も笑った。
バイバ〜イと手を振り、山中くんは来た道を戻って行った。
私は家まで歩きだした。
山中くんや成瀬くんのことが頭を占める。
失恋した日に告られるってことは、成瀬くんのことを諦めろ…ってことなのかな。
この日を境に山中くんと話す機会が増えていった。