嘘から始まる恋

王子との距離




「成瀬くん、足大丈夫なの?」


「ギブス取れたから、心配しなくていいよ」


「じゃあさ、今度一緒に遊びに行こうよ!」


「それ賛成!!行こうよ、成瀬くん」


「うーん…考えとくね」


中庭では成瀬くんを囲み、目を輝かせながら女子達がはしゃいでいる。


成瀬くんも笑顔で答えてはいるけど、やっぱり王子様の仮面を被っている。


そんな様子を私は溜め息を吐きながら、教室の窓から眺めていた。



いいなぁ〜…。


あぁやって話せて。


私はいつも人がいないとこでしか話したことなかったしな…。


てかギブス取れたんだ。


予定より早くない?


そんなことを思いながらジーッと成瀬くんを見つめていると、バチッと視線が合った。



< 100 / 275 >

この作品をシェア

pagetop