嘘から始まる恋
王子との距離
「成瀬くん、足大丈夫なの?」
「ギブス取れたから、心配しなくていいよ」
「じゃあさ、今度一緒に遊びに行こうよ!」
「それ賛成!!行こうよ、成瀬くん」
「うーん…考えとくね」
中庭では成瀬くんを囲み、目を輝かせながら女子達がはしゃいでいる。
成瀬くんも笑顔で答えてはいるけど、やっぱり王子様の仮面を被っている。
そんな様子を私は溜め息を吐きながら、教室の窓から眺めていた。
いいなぁ〜…。
あぁやって話せて。
私はいつも人がいないとこでしか話したことなかったしな…。
てかギブス取れたんだ。
予定より早くない?
そんなことを思いながらジーッと成瀬くんを見つめていると、バチッと視線が合った。