【完】初恋
「どこ行くの?」
宿を出ようとしている拓真。
外?なんで?
あたしはウエッジソールに履き替える。

『暗いから足下気を付けろよ?』
「うん」
拓真の言ったように気をつけて歩いた。
が…!

「わっ!!」
石につまづいた。
『バッ!!』

どきんっ!!

あたしは拓真の腕のなかにいる。
拓真のおかげで怪我をせずにすんだあたし。

「ゴメッ!」
『だから気をつけろって言ったろ?』
「ゴメンネ?ありがと」

??いつまで経っても拓真はあたしを離さない。
またこのパターン?
「拓真…?」
顔を見ようとするが、暗くて見えない。
やっと拓真は腕を離した。
『あの…さ』
拓真が口を開いた。
「ん?」
『圭介が…お前のこと好きらしい』

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