キスして☆イケメンな彼


少し胸を撫で下ろした自分がいた。

気のせいかもしれない、と思ったが

美咲に睨まれているような視線を感じた。


だから、パッと後ろにいる美咲の方に振り返った。


美咲は一瞬焦った表情を見せたけど

「それじゃ行こっか」

そう言いながら笑顔に変わった。



女って怖え……。


そんな風に感じながらドリンクコーナーまで歩いた。


何考えてるかホントわかんねぇな。

ドリンク選んでるその笑みの浮かんだ顔は本物なのか、とか考えてしまう。


そんな感情に出逢ったことのある人は、

少なくないと思う。



俺は自分の手に持っているグラスに氷を入れた。

ま、三つくらいでいっか。


それでカルピスのボタンを押した。


ストローはいいや。

そう思って素通りしたら、後ろから小さな手が伸びてきた。


幸乃だった。

幸乃のグラスは俺のと大きさは変わらないのに

手が小さいから大きく見えてしまう。


氷がたくさん入った中に白い液体…。

やはりカルピスだった。


そこに長い棒、ストローを差し込んだ。


美咲と比べると幸乃が小さく見える。


美咲は炭酸飲料のコーラに氷をたくさん入れて、泡がぷくぷくとなっている。



「じゃ、みんな入れたな?」


そう言って2人の顔を見た。

「あ、うん」

オドオドしながら答えた幸乃。

「オッケー。行こ」

弾けた感じに言う美咲。




< 60 / 99 >

この作品をシェア

pagetop