キスして☆イケメンな彼

ひとりとふたり 幸乃side



恵と仲良く話している間に、

由香里は会う前から仲がよかったと思う大浦智と楽しそうに話を始めた。



…由香里のあんな笑顔、

最近全然見てなかった。


由香里もそろそろ私より、“彼氏”の存在とかが
大きくなっていくんだろうな。



と、由香里と智を視線で流して


…龍之介さまに移した。


ドクンと心臓が揺れた。

蟠りが心を行き来する。


私の瞳には、龍之介さまの腕に軽く触れている安藤美咲の姿。

それを否定しない龍之介さま。

一瞬、息をのんだ。




どうしよう。


表情が一気に暗くなった私に、恵が

「大丈夫? 顔色悪いよ?」

と不安げに話しかけた。



嘘…。
顔に出ちゃってた?


「え、うん。大丈夫、大丈夫!」


無理に笑ってるのが自分でも分かる。


こうでもしないと、私が…

私が私でいられなくなってしまいそうな
気がしたから――――………。




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