冬恋。【完】
「海さん……」
ボソっと呟いてみた。
「え……??」
くるっと、私のほうに向きを変える。
「みずかじゃん!!なんでいるの!!」
やっぱり海さんだった───!?
「やっぱり海さんじゃないですか!!こっちが聞きたいの!」
ついつい大きな声が出てしまう。
「いや、これ……お金がなかなか入らなくてジュースが買えないわけじゃないよ?」
「買えないんですか?自動販売機で?ジュースが?簡単なのに?」
あえて『お金を入れるときにコツがあるんですよ』とは言わず。
ちょっと海さんをからかってみた。
「だって……買えないんだもん……」