冬恋。【完】
初めて見る、海さんの部屋。
男の人なのにすっきりと片付いている。
本棚を見ても、普通の本ばかり。漫画は少ない……かな。
ブックカバーがついてる本が怪しいけど漫画というより小説だ。
って、私はどこ見てるの……。
「そこ、座って」
「ベットですか?」
……あれ、こんなシーン前にもあった気がする。
「うん」
……。
少しの沈黙。でも気まずいかと言われればそうでもない。
「みずか……、やっぱり僕言わなきや気が済まないや……わがままでごめんね」
なんのことだかさっぱり分からない私。
「僕やっぱりみずか好き。この前遊んだときによく分かった。みずかがもしよかったら、辛くなかったら付き合わないか?」
遊んだ時……。
少し前、一緒にプリクラ撮りに行った時のことかな。
あの時……か、私何もしてないんだけどなぁ。
「もちろんすぐじゃなくていい。気持ちを伝えたかったんだ。ずるくてごめんね……。」
「そんなことないです!」