冬恋。【完】


初めて見る、海さんの部屋。

男の人なのにすっきりと片付いている。


本棚を見ても、普通の本ばかり。漫画は少ない……かな。



ブックカバーがついてる本が怪しいけど漫画というより小説だ。
って、私はどこ見てるの……。




「そこ、座って」


「ベットですか?」


……あれ、こんなシーン前にもあった気がする。


「うん」



……。

少しの沈黙。でも気まずいかと言われればそうでもない。



「みずか……、やっぱり僕言わなきや気が済まないや……わがままでごめんね」



なんのことだかさっぱり分からない私。



「僕やっぱりみずか好き。この前遊んだときによく分かった。みずかがもしよかったら、辛くなかったら付き合わないか?」


遊んだ時……。

少し前、一緒にプリクラ撮りに行った時のことかな。


あの時……か、私何もしてないんだけどなぁ。


「もちろんすぐじゃなくていい。気持ちを伝えたかったんだ。ずるくてごめんね……。」



「そんなことないです!」


< 120 / 140 >

この作品をシェア

pagetop