冬恋。【完】
誰かといっても、ここの部屋にいるのは私と東しかいない。
ってことは……。
……私、東に抱きしめられてるの?!
「東?」
「お前、俺を妬かせたいの?」
「え?……何、どういうこと?」
私を抱きしめる力が強くなる。
妬かせたいの?って、どういう意味……?
「海さん」
「海さん?がどうしたの?」
「はぁ……、お前ってやつは」とボソっと呟きながら、私を抱きしめていた手を放す。
「話があるから、ちょっと座って」
座ってって、どこに?と少し考えた後、ベットに座る。
それに続くように、私の隣に東が座る。
ベットの上に男女二人って、ちょっと危なくないですか??
ピンポーン
いきなり、玄関のチャイムが鳴った。
東の「チッ」という舌打ちは聞かなかったことにしよう。