冬恋。【完】

転校生



10分ぐらいかけてゆっくり歩いて川につくと、人だかりができていた。



バーベキューをしている人、川で泳いでる人。同じく犬をつれて遊んでる人。その他にも人はたくさんいた。



その内ほとんどが家族や友達。
見たことない人ばかりだから、遠くから来ていることが分かった。


この辺の人は大体分かるし……。さすが田舎って感じだよね。


「ちょっと、ろうた!!そんなに暴れんなって……くすぐったいっ」
「わん!!」

「お兄ちゃん。恥ずかしいからやめて」


川に近づいていくと、ある兄妹の会話が耳に入った。
その兄の声が海さんに似てる気がした、けど違うよね。

まさかね。犬ときゃっきゃ騒ぐ人が海さんなわけ……。


「あれ。みずかじゃん」

名前を後ろを振り向くと、犬をつれた海さんの姿。
本当に海さんだった─────ッッ!!


「海さん……ってこんなキャラだったんですね」


最初の優しそうで静かな海さんのイメージを返せぇぇ!!

「え? まさかさっきの……」

見てた?と不安そうに言う海さん。

「ばっちり」

ピースサインをして言ってやった。もちろん笑顔で。


「見てたの!? なんで声かけてくれなかったんだよみずか!!」
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