冬恋。【完】
「だって海さんだと思わなかったですし」
「もう……」
海さんの顔が赤くなる。
本人の海さんはそれに気づいてないのか手で顔を隠そうともしない。
「お兄ちゃん」
お兄ちゃん……??
「あれ、その子誰?」
海さんの陰に隠れながら私の顔を見てくる。
ってことは、海さんの妹?
「僕の友達のみずか。家が近所なんだよ?」
「ご近所さん……?」
もしかして人見知り……じゃないか。
友達になりたいって思ったのは私だけだろうか。
「緋未(ヒトミ)挨拶しな」
「うん」
そう言うと、海さんの陰に隠れていた妹さんが私の前にきてペコっとお辞儀をする。
「初めまして、緋未です。えっとー……、学年は中2です。よろしくお願いしますね、みずかさん」
うわあ、すっごい丁寧……。