冬恋。【完】
家に帰る途中、犬散歩をしている海さんに会った。
「海さん……」
「みずか?って、どうしたのさ……」
海さんに会って安心したのか、私は今まで溜めていた涙が一気に溢れてきた。
誰でも良かった。
話を聞いてくれる相手が欲しかった。
ただ、それだけの気持ちで海さんに助けを求めた……。
慰めてって……。泣き止むまで一緒にいて下さいって……。
「海さん……ッッ」
「みずか、こっちおいで。慰めてあげるから……」
私は、海さんに言われるまま海さんに抱きついた。
「みずか……」
海さんは、やっぱり分かっているようだった。
私と東に、何があったか……。