重力地獄の決闘

EIG広域交渉部

「FSIが動いたぞ。しかも、マック・マーリンに仕事を依頼した。
いったい君の部隊はなにをやっているのかね?邪魔な〈何でも屋〉の始末も出来ず、パイプラインの完全破壊も果たしていないではないか。
これでは、来期の市場占有率拡大計画に支障をきたす。特に、FSIは来期にポリス新造艦の航宙エンジンの納入が決まっている。
納期に厳しいポリスの発注に、連中の工場はフル稼働中だ。ここで連中の生産計画を大幅に遅らせれば、次の入札でわが社が有利に展開できる。
この作戦の重要性が、判っているのか?ロックウェル」

 コリーン・J・田村女史は彼女の執務デスクの前に直立不動で立っているロックウェル・マキャベラルに強い口調で言った。
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