重力地獄の決闘
 ロックウェルは、ポリス治安軍の精鋭降下部隊からフリーランスの傭兵を経てEIGにスカウトされた、生粋の軍人。コリーンは経済官僚出身の経済戦略分析の専門家である。

 ロックウェルの立案した作戦はことごとくコリーンに経費削減を理由に作戦の変更をさせられ、それが互いを嫌う理由となっていた。

「〈何でも屋〉か、経費が自由裁量の連中はお気楽で羨ましいぜ。さて、お仕事お仕事」

 指揮卓に着いてそうロックウェルは誰にともなく言い、指揮卓のシステムを起動した。

 部屋のメインプロジェクターに灯が点り、ロックウェルはまず使える予算を表示した。

 アイリンは、そんなロックウェルの行動を見てくすりと笑い、指揮卓脇の自分の席に着き、コンソールから施設内にいる所属の兵に指示を送った。
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