重力地獄の決闘
 車長席のホロプロジェクターに地表図が表示され、感知位置が赤い範囲で示された。

 そこは、前方20キロほどの位置にある島の辺りだった。

 トロンⅡBの砂漠の海には、稀に砂苔が生えない砂地がある。それが、島と呼ばれる地形だ。

「島なら派手に行ってもいいだろ。戦闘モードにシフト」

「了解。火器管制系起動、全兵装正常起動、カーゴユニット連結解除、自動追尾に切り替えます。最大戦速」

 キムの操作でイーガーは特殊装甲車から戦闘車両へとシステムを移行した。連結していたカーゴユニットが離れ、イーガーは唸りを上げて加速する。

 火器管制系が車長席のマックに集中して立ち上がった。
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