明日は晴れますか?


ずっと、その狭い場所で悩み続けている内に

時間を忘れていた。


いつのまにか、景色は完璧な夜になっていた。


「はぁ・・・寒っ!もう暗いなぁ・・・帰ろう・・・」

さすがに、梅雨の夜は寒かった。

耐えられなくなって、私は立ち上がった。



「池田?」

「へ?」

私が立ち上がった瞬間、目の前にいた男子に名前を呼ばれた。


「土屋君・・・!??」



最悪な偶然。

私の目の前に居た男子は、土屋君だった。


「池田、制服のままじゃん・・・。家帰った?」

「帰ってないよ・・・ってか、そういう土屋君こそ、こんな夜に何してんのさ・・・」

「俺はコンビニにお菓子でも買いに行くところ。」

「・・・そうなんだ・・・じゃ、ばいばい・・・」

椿のことで落ち込んでる状態の私には、不思議ちゃん、土屋遊歩の存在は避けたかった。

だから無理矢理会話を終わらせようとしたんだけどー・・・



「一緒に来いよ。コンビニ」


「え・・・っ」



まさかの急展開だった。



・・・でも、断る理由もないし、結局家には帰りたくない気分だし、むしゃくしゃしてるし・・・


「うん・・・」


私は頷いて、土屋の背中について行った。


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