明日は晴れますか?
事実


「私は、去年よく分からない病気が発病して、中1の間はほぼ入院してたの」

「よくわからない病気・・・?」

「うん。親は・・・知らない方がいいって言って、何も教えてくれない。でも、きっとすごく珍しい病気なんだと思う。・・・毎日毎日、ほんとに苦しくて、私、このまま死んじゃうんじゃないかって・・・不安だった。」

「・・・死ぬ・・・」

「結局、今は少し良くなって、薬を飲んでいれば安全って状態だ・・・って・・・親に、言われてた。だから、毎日薬を飲んで生活してた。・・・薬さえ飲んでたら、生きていられるんだと、信じて・・・。」

私は、「死ぬ」「生きる」という言葉を発する度、哀しみで震えた。

隣で真剣に話を聞いてくれてる土屋君の顔が、少しずつ涙でぼやけて見えなくなっていく。

・・・人前で、泣いちゃってるし・・・。バカじゃん、私・・・。

・・・もう、声を出したら号泣しちゃいそう。

口を開くことを、無意識に拒む私がいた。

・・・なのに、どうしてか、涙を流して、声を震わせてまで、土屋君に自分のつらさを知って欲しいと、開いた口から言葉があふれ続ける。



「でも・・・最近になって、自分の病気が分かった。どんな病気なのかも、この先私が・・・どうなるのかも・・・。」

「・・・池田・・・」

「私・・・あと、少しで・・・死ぬんだ・・・」

「・・・・・・っ・・・」



あと少しで、私は「全ての終わり」という哀しい運命を迎える。

少し前までは、それでもいいかって思ってた。

私なんて、誰かに必要とされてるわけでも、誰かを必要としているわけでもない。

このまま私が消えて無くなってしまっても、きっと泣く人なんていないなら。

誰からも必要とされず、この世に何の未練もないままで死んでいきたい。


それが・・・

今の私が望む、一生のお願い。



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