明日は晴れますか?



帰り道は、気まずかった。

お互い、自分の中身を見られたような気持ちで、

恥ずかしかったのかもしれない。

…家が近いのが、不幸中の幸いだった。


「土屋君、もう私、家すぐそこだし!ここまで送ってくれてありがとう…!また明日、学校でね!」

「…あぁ。ばいばい。」

「うん!ばいばーい!」

小さく手を振りながら、来た道を帰る土屋君に、私はできる限り明るく振舞って見せた。

色々と、重い話をしちゃったから。

別れ際くらい、明るく。




「ただいまぁ」

「あ、由美香!遅かったね」

「うん。友達と遊んでた。」

家にはいると、一応お母さんがおかえりって言ってくれた。



時計を見ると、もう夜の9時だった。

こんな時間まで娘が帰って来なくても、顔色一つ変えないお母さん。


やっぱり、私は必要とされてないんだ…。


早く、死んでしまいたいと願う私がいた。

そして、そう願うことを寂しいことだと嫌がる私もいた。



…そしてなにより、土屋君が恋しくなる、バカみたいな私もいた。

彼は、私を理解してくれた。

私があと少しで死ぬって聞いた時、一緒に悲しんでくれた。





彼のことを、信じたい。



昨日の今頃は、まさかこんな事になるとは思ってなかったよ。
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