通行人B
・・・・・・何というか、な。うん、仕方ない。
ついつい、そう思った。
それも、仕方ない。
だって、ソイツ・・・・・・

栗色というのか、色素の薄いサラサラの、少し長めの髪に。
その色にほんの少しだけ赤みを加えた瞳。
男のくせに・・・と思わせるほど、肌は陶器のように滑らかで。
一見して、どこかのお坊ちゃまだと思わせられる身なり。

ぜってぇコイツ、世間知らずの箱入りナントカだ―――。

それ以外に何があるのだろう。
先程の万引き少年たちも呆気にとられていた。
コイツに関わっちゃ駄目だ。
俺の警報ランプが赤く点滅する。
さっきは『関わらない方がいい』と思ったが、今度は違う。
『関わっちゃ駄目』なんだ。

何が、俺をそう思わせるのか分からない。
多分、そいつの存在自体がそうなのだろう。
俺は足早にそこから立ち去ろうとした。
が――――。

「おい、そこの・・・通行人Bのような君!」

ソイツは俺を呼び止めた。
・・・・・・いや、これで俺を呼んだって分かる俺も俺だけどさ。
「君も見ていただろう?彼らが万引きをしようとしていた所を」
「あ、そうだったんだったんで・・・―――――って、あ!」
万引き少年たちが、無造作にCDを投げ捨てて逃げだした。

・・・まぁ、そうだよな。
普通に考えて、逃げるよな。俺も逃げたいし。

「なっ、こら!待ちたまえ!」
やたらめったら正義感の強いソイツは、やっぱりと言うか、追いかける。俺の手を掴んで。
・・・・・・・・・って、なんでだよ!
俺は関係ねぇだろ!俺を巻き込むな!!

「さぁ!行くぞ、B君!」
誰がBだっ!!!

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