お兄ちゃんが、見てる。[短51P]
 あたしは一旦玄関を出たけど、やっぱり納得できなくて、タケシくんのマンションのドアに手をかけてしまう。


 その時、目の端に見慣れた人が映った。


 マンションの下からジッとこちらを見上げている人。



 ――お兄ちゃん……。




 また、見張り?



 あたしは、今までもこういうことがあったのを急に思い出す。


 いつもいつも、デートのときはお兄ちゃんがどこかで見ていた。



 どこまで過保護なの!?



 とっさに今出た部屋のドアを開けて中に入ると、タケシくんがビックリした顔で見てきた。

< 7 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop