お兄ちゃんが、見てる。[短51P]

「どうしたんだよ?」

 少し、うざったそうな声。


「お兄ちゃんが……下に……」


 あたしは部屋に上がることも、出ることもできずに玄関に立ち尽くす。


「何?」


 イライラした調子で、タケシくんは玄関を開けて廊下から下を覗くと、すぐに戻ってきた。


「あれが亜季の兄貴? 何でいんの?」

「あたしのこと、見張ってるみたい……」


「なに? 兄貴が? ストーカーみてぇに?」


「……」
< 8 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop