Paradise Jack

このごちゃごちゃした部屋のどこに薬箱があるのか皆目見当もつかないので、仕方なく一度自室に戻って頭痛薬を2粒出してグラスと一緒にサイドテーブルへと置く。

少し触れたシュウの手が、バーにいたときよりも更に熱を持っていることに気がついた。


「おい、シュウ…、」


慌てて彼女の額に手をやると、案の定じわりとした温度が掌に伝わってくる。微熱。

そういえば、さっきバーで殆ど寝ていないとか話していなかったか?もしかすると、風邪…か、寝不足や疲労なんかから来ているのかもしれない。


転がり落ちたシュウをベッドに戻し、額に冷えたタオルを置いたときだった。
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