Black loves 〜最強総長の彼女〜
あたしは、馬鹿だから、
誠也の説明なんかより、
馬鹿の一つ覚えみたいに
どこまでも真っ直ぐな百獣の王、桐谷礼の
なんの根拠もない[生きる]ことへの説明に
涙が出た。
礼が帰ってからもたくさん泣いた。
彼の笑顔は優しすぎて
眩しすぎた。
だから、泣ける。
切ない、その真っ直ぐなだけの優しさに泣けた。
だけど知っている彼は真っ直ぐだけど
馬鹿だけど
純粋だけど
ときには残酷。
彼はきっと一度あたしを抱いたら
消えちゃうんだ。
知ってたよ?
『あたしに興味があるの?』
って聞いたときから。
興味本位で、あたしを抱きたかったんでしょ?