キミに捧げる恋のうた
「何?リリちゃん? 可愛い名前じゃん」
「まぁな。海よりは遥かに可愛い子だと思うぞ。色んな意味で」
「色んな意味って何よ。ノロケちゃってさ」
凛々ちゃんか。
名前からして敵わないじゃん。
「さて、俺はちょっと外行ってくっかな」
コップに入ったお茶を最後まで飲み干した後、浪が席を立った。
「………何、リリちゃん?」
「まぁね。あいつ塾行っててさ、その迎え」
お迎え、かぁ。
あたしの時はお迎えしてくれないくせに。
浪は、他の子にはちゃんと女の子として接してるんだよなぁ。
実は浪が優しいことを
知ってるの。
分かってるの。