キミに捧げる恋のうた

どくせんよく

分かってる。


だけど……寂しい。



浪のことを一番知ってるのは
あたしなのに。





「……行かないで」





浪の服の裾を掴んで、ふとそんなことを言ってしまった。



「は? 何妬いてんの?」


「ち、違うし!誰があんたなんかに妬くか!さっさと行け!」


「ふーん。じゃあ行ってきます。ごちそうさま」



そっけない浪の返事。


無理もない。

『行かないで』といいながら、『行け』という。


訳が分からないよね。





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