キミに捧げる恋のうた
「紗智ー、新刊出てる!」
「きゃ、ホント!?」
今、あたしは親友の遊と本屋に来ている。
あたし達は晴れて無事、高校1年になった。
高校は別々になってしまったけれど、電車が一緒になった時はこうやって寄り道する。
「あー、でもなぁ。」
「なに、買わないの?ウチ買うけど。買わせてもらいますけど」
何の躊躇いもなく、すでに手の中にあるマンガ本の新刊をレジに持って行こうとする遊。
「勝手にどうぞー。」