光の子
「お子さんの認知もします。これまでのように会っていただいても構いません。ですから、どうか。
私から、健人を奪わないで下さい」
話の内容から、広香にもその人が誰かが分かった。
広香の位置からは、その女性の後ろ姿しか見えなかったが、震える背中が痛々しかった。
「留美子」
健人が洩らした声に、その女性が振り返った。
化粧っけのない顔に、一つにまとめた髪。少しだけふくよかな体に、生成り色した緩やかなラインの服。
四十代の後半だろう、素朴で飾らない人、全身からそれが伺える。