光の子



「そんなの、だめだ、広香」




矢楚は、広香の肩に手をのせて顔を覗き込みながら、説き伏せるように言った。



「オレたちはまだ15歳だから。

夢の途中だし、何もかもまだ不安定で未完成なんだ。
だから一緒に歩くのは、一人で行くより辛いけど。

それでも。
オレの手を離さないで、踏張ってよ、広香」





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