光の子
あらためて読むと、哀しみを帯びた詩だった。
『限りなき空』
限りなき空あふぎつつ
とこしへの望かたらひし
君がまなざし忘れねば
物の思に堪へかねて
独りながむる久方の
天のはるばる恋しけれ
間近に君はいませども
身を投げだすように後ろへ倒れた。
ベッドのスプリングが背中を押し返す。
天井を仰いで反芻する。
「天のはるばる恋しけれ。間近に君はいませども」
まだ、好きだった。
何一つ変わらず、好きだった。