光の子
「わぁ、そこいいねぇ!」
木綿子が声を上げた。
だろ?と、知也が嬉しそうに振り向いた。
白い砂浜に、
立派な屋根のある大きなテーブルと、長椅子が設置されていた。
それが海岸線に四つも並んでいる。
一番手前のテーブルに、知也はテイクアウトした食べ物を並べはじめた。
遅れて広香たちも、屋根の下に入った。
「なに、ここ?」
木綿子の問いに、矢楚が飲み物を注ぎながら答えた。
「バーベキュー用の設備らしいよ。夏の間、有料で貸し出ししてるみたいだね」
広香も尋ねた。
「どうしてこんな場所知ってるの?」
とても美しい海浜公園だが、観光客がくるような場所ではない。
「ブィットリアに、沖縄出身のヤツがいて、穴場を聞いておいたんだ」
「やるじゃん、藤川選手」
そう言って木綿子が、矢楚の腕をばしっと叩いた。
まあね、と矢楚が受け、知也が皆に飲み物を取るよう促して、言った。
「では、卒業旅行を祝して」
「旅行を祝してどうする。卒業を祝すんでしょ、あほ」
木綿子のツッコミに顔をしかめながら、知也が再度カップを掲げた。
「もうすぐ卒業、を祝って」
乾杯!と声をそろえた。