狗喰い~刻のまにまに~

 河原で三人のごろつきを見つけた。あの、シロの亡骸を見つけた場所に焼けた石を置いてあったからと、当たりを付けたが正解だったようだ。

「とっつあん、こいつ買っちゃくんねぇか?」

「いくらだ」

「いくらでもいいさ」

 あんな奴の犬くらい。

「うん? この首輪はどうしたこった。家紋が入ってるじゃねえか」
 
 しまった。俺はさっと子犬の首から紅の輪を抜き取り去った。

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