駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~





†side:月詠†




パサリ、




と、覆面が床に落ちる。



私はその顔を見る。




やっぱり、私には見覚えの無い顔が、そこにはあった。




それは、




「フフ…よくわかったわね‥私が貴女のストーカーじゃないって……」




女性の姿




「貴女が私をボコッてる時の言動に違和感を感じたの。それに、さっき私に近づいた時ー‥」




香った香水




「あれは女性物だわ。」


「あら‥そんな事でわかってしまうのね……?」



合成音声が無くなり、本来の声が私の耳に入る。それはれっきとした女性の声ー‥




「ねぇ、貴女は一体誰?何故私にこんな事をするの?」




動機まではわからない。



「わからないの?」




わかる訳ないじゃない。



取材や聞き込みで、この人に会った記憶がなかった。




「‥私から、“壱十”を奪ったくせに……!!」



キッ、と私を睨むその女性




その目には激しい憎悪と、嫉妬の念が窺えた。




「“壱十”?」




ってまさか……




「栗塚さん、の事……?」




じゃあこの人は、栗塚さんの知り合いなの?











< 84 / 120 >

この作品をシェア

pagetop