駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~
†side:月詠†
パサリ、
と、覆面が床に落ちる。
私はその顔を見る。
やっぱり、私には見覚えの無い顔が、そこにはあった。
それは、
「フフ…よくわかったわね‥私が貴女のストーカーじゃないって……」
女性の姿
「貴女が私をボコッてる時の言動に違和感を感じたの。それに、さっき私に近づいた時ー‥」
香った香水
「あれは女性物だわ。」
「あら‥そんな事でわかってしまうのね……?」
合成音声が無くなり、本来の声が私の耳に入る。それはれっきとした女性の声ー‥
「ねぇ、貴女は一体誰?何故私にこんな事をするの?」
動機まではわからない。
「わからないの?」
わかる訳ないじゃない。
取材や聞き込みで、この人に会った記憶がなかった。
「‥私から、“壱十”を奪ったくせに……!!」
キッ、と私を睨むその女性
その目には激しい憎悪と、嫉妬の念が窺えた。
「“壱十”?」
ってまさか……
「栗塚さん、の事……?」
じゃあこの人は、栗塚さんの知り合いなの?