短編■ ピアスを外して、声で飾って

看護婦さんと相談して、自分で理想の場所にペンで印をした。

ベッドに寝かされた。

たかがピアスホールを開けるだけで、いちいち大袈裟だから余計に怖くなった。


服に血が付くかもしれないからと、幼稚園のスモッグみたいなものを着せられた。

大掛かりで、ますますドキドキした。
どんどん怖くなった。


中学の時の友人は安全ピンで開けたり、ピアッサーを買い自分で開けたりしたんだとか。

消毒をしなくて朽ちたとか、金属アレルギーでファーストピアスが合わなかったとか、

透明ピアスは実は危ないとか、そんな話は信憑性が謎だからこそ怖かった。


また保健室のポスターで、ピアスホールからの感染症の写真を見てしまったからか、やっぱり怖かった。

憧れているのに怖かった。

ヘタレだから怖かった。

< 4 / 29 >

この作品をシェア

pagetop